塾講師だった頃のエピソード②
以前書いたこちら↓の記事で書いたO川くんの話パート2です。
◆O川くん(当時、中1)
またもや数学の授業のことです。
(O川くんはたしか3教科(英数国)しか受講していなかったはず。)
単元は「正負の数」。
負の数での計算を教える過程で、
『負の数は正の数と逆の意味になる』
という事を教えるんですよね。
例えば、前に2歩歩く事が+2歩だったら、後ろに2歩歩く事は-2歩、という感じです。
私はよくすごろくを例にとって説明していました。
私「サイコロ振って、4が出た。+1、+2、+3、+4。あ、2マス戻るだって、-1、-2。」
(実際に進む、戻るをジェスチャーを交えて実演しています。)
この場合、+が「進む」、-が「戻る」。こう逆の意味になるんだよねー、
みたいな感じで説明してあげると、生徒も何気なく日常で使っている概念では
ありますし、感覚で理解できるんですよね。
で、次にこのような練習問題をやってみよう、となるわけです。
<練習問題>
次の□を埋めて、左の文と同じ意味になるようにしなさい。
Q1:右に+4マス進む 左に□進む A1:-4
Q2:+2時間前 -2時間□ A2:後
Q3:-5℃下がる +5℃□ A3:上がる
Q4:-3を引く +3を□ A4:???
特に4問目なんか、後の正負の数の引き算につながる考え方にもなりますので、
このテキストなかなかやるなーなんて思いながら解かせていました。
で、生徒が解き終わり、1問ずつ席順で生徒に当てて答えさせます。
Q1、Q2、Q3と順調です。
そしてQ4に来たところで、O川くんの番。
私 「さて、O川くん。4問目の答えは?」
O川くん「わかりません。」
私 「そっか、じゃー一緒に考えてみよう。+と−は逆の意味になるって
さっき教えたよね?それはわかった?」
O川くん「(コクリ)」
私 「OK。じゃーこの問題だけど、左の文で-3だったのが、右の文で
+3になってるね。ということは・・・?」
O川くん(難しい顔をしながら)「ん〜〜〜〜〜。」
私 「もし、+3を”引く”って言っちゃうと、反対の意味になっちゃうよね?
っていう事は、”引く”の反対の言葉を入れればいいんじゃないかな?」
O川くん(難しい顔が、閃いた!とばかりに急にパッと明るい顔になり・・・!)
「押す!!!!」
この子は大事にしようと思いました。
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